白昼夢
白昼夢

✴︎白日夢✴︎

ケーキみたいに切り取られた山
白い鳥紙飛行機

鬱蒼とした木々
電車の脇を囲うような木々の群れ

夕立が残した空気がまとわりつく
そこを抜けると

幾つもの山が辺りを囲んでいる
そのふもとにはぽつぽつと
小さな家々が散りばめられている

気がつくと辺りが白んできていた
霧だまるで今とりあげた赤子を
そうっと優しく包むように
産湯のような柔らかな霧が
山々からふもとの集落に降りていた

電車の向こうに広がる景色は
夢の終わりのようにおぼろげで
それでも確かにそこには命が息づいている
ここで生きている人たちがいる

そんなことを考えていると
突然の真っ暗闇トンネルである
窓ガラスに映りこむ自分の姿
車輪の音が響くだけの数秒間

トンネルを抜けると
白い霧も山のふもとの家々も
白日の夢の中へ
みな置いて醒めてしまった
サイズ: サイズ不明 (mm × mm)
状態:
搬入方法に関する備考:
ジャンル①
ジャンル②(支持体や表現技法)
ジャンル③(季節)
ジャンル④(自由記入)
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